Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たそがれのこくはく

黄昏の告白

浜尾 四郎

Lisez 黄昏の告白 (たそがれのこくはく) de 浜尾 四郎 (はまおしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 453 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

というわけは、大川竜太郎と米倉三造とは恐らく永久に手を握りあうことのできぬ仇敵同士であったからである。

彼等はその処女作を世に出す前において、すでに、競争者であった。おたがいに非常に神経質で頑固で、そうして嫉妬心を十分にもちあっていた彼等は、名をなす前に、心から愛しあうよりはむしろ、心から憎みあっていた。

「いまにみろ。」

という考えをおたがいにもっていた。そうしてその気持の上に二人は精進した。

けれども、この二人を決定的に仇敵とならしめたのは、こうした二人の名誉心ではなかったのである。実に彼等は、ある一人の女を、しかもほとんど同時に愛し始めたのであった。

この恋愛闘争はかなり有名な事件として知られている。女は酒井蓉子という、ある劇団の女優であった。大川のある作品が、この劇団によって脚光を浴びた時、彼は蓉子と相識った。しかし同じ頃、米倉もまた蓉子と知りあった。かくて蓉子を中心として二人の男は恋を争ったのであった。

この闘争において、まったき勝利はまさに大川の上にあった。大川と蓉子とは彼が二十九、彼女が二十三の年に円満な家庭を作るに至った。蓉子は未練げもなく舞台を捨ててよき妻となり二人の間には愛らしき子さえ儲けらるるに至ったのである。