Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きいろいばん

黄色い晩

小川 未明

Lisez 黄色い晩 (きいろいばん) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 173 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

多分風をひいたのだろう。明日になれば快ってしまうと、彼は昨日あたりまで平気で床の中に横わっていたが、今日はなかなか苦しそうに見えた。私はいつも来るので、黙って戸を開けて彼の枕許に行った。周蔵は黄色な眼付をして私の顔を見て黙っている。灰色の壁には、今年の暦が貼ってあって、火鉢の上には煎薬の入った土瓶がぶつぶつと沸き立っている。一種、眼の眩みそうな臭が室内に漲って、周蔵は起上って坐っていたが、私の入って来ると同時にまたごろりと眠ころんでしまった。

「周さん、頭が痛むかい。」

と私は、始めて言うと、

「ああ、頭は破れそうだ。大分熱がある。」と答えた。

「この薬を飲むんでないのかい?」

と私は、ぶつらぶつらと黄色い泡を立てて沸き上っている煎薬の土瓶に目を止めていうと、周蔵は後向きに臥ているままで、それには黙って、

「あ――苦しい。苦しい。」といっていた。

「ああ、周さん、薬が沸え溢れるよ。」というと、

「ああ、苦しい、下しておくれ。其処まで行けねえ。」

といって例の尖った口先を心持此方に向けて頼んだ。

私は、袂でその沸えたぎっている煎薬の土瓶を下して、周蔵の言うがままにそれを茶碗に移して枕許に持て行てやると、彼はむくりと起き上って、熱いやつをぷうぷうと吹き出した。