Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろねことみ
黒猫十三
大倉 燁子
Lisez 黒猫十三 (くろねことみ) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 366 caractères · 29 écrans
気が急くので肩に引っ担いで歩いた。泥濘に靴が吸いついたり、辷べったりしながら、漸ッとの思いでアパートの階段に辿り着き、自分の部屋まで運んで、取り敢えず壁際のベッドの上に横え、始めて電気の下で少女の顔を見た。
何という可愛らしさだろう、まるで眠っている西洋人形だ、細面で、頤から首筋へかけての皮膚が滑べこそうで、東洋人には珍らしい濁りのない白さだ。睫毛に覆われた眼は切れが長いらしく、開いたらどんなに美しかろう、本庄は思わず低い歎声をもらして見惚れてしまった。
可哀想に、――彼女の洋服は胸から肩へかけて、血のりで肌にねばり着いている。鋭利な短剣か何かで、グザと突刺したのだろうが、酷いことをしたもんだ、こんな天使のような少女を傷つけるなんて。――この出血の工合ではよほどの重傷を負うているに相違いないが、どこに傷口があるのかはよく分らなかった、多分左の肩辺りらしいので、とにかくそこへ自分の半をふわりとかけてやった。
微かな呼吸はしているのだが、少女はなかなか意識を取り戻さない。少し心配になってきた。
「医者を招ばなくっちゃ、いけないかなあ」と思った。幸い今年医科を卒業したばかりの親友が、近所に引越して来たのを思い出した。