Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
Leggi あすなろう di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.925 caratteri · 41 schermate
文次はそっぽを向いた。
「そうだ、そのほうがいい」と男は云った、「こんなところで男をあげたって三文の得にもなりゃあしねえ、政、――邪魔あしたな」
「とんでもねえ、親分」
「よしゃあがれ、てめえに親分なんて呼ばれるほど落ちゃあしねえや、こんど親分なんて云ったら承知しねえぞ」
「黙ってろよ」と文次が政に顎をしゃくった、「ふところに十手を呑んでれば天下さまだからな」そして男に云った、「おまえさんのこっちゃあねえぜ、和泉屋の親分」
「ありがとうよ」と男は冷笑した。
男は元のところへ戻って勘定をし、そのまま外へ出ていった。小女が酒を持って来、政はまた茶と調合しながら、いったいどうしたことだと文次に訊いた。
「あんなに突っかかってよ」と政は云った、「先はなんにも云わねえのに、こっちから突っかかるなんて気が知れねえ、おらあはらはらしちまったぜ」
「岡っ引はでえ嫌えだ」文次は土間へ唾を吐いた、「世の中に岡っ引くれえ嫌えな者はありゃあしねえ」
「なにかあったのか」
「この干物はまずいな」文次は箸で肴を突つき、「こいつはくさやの」と云いかけて、その言葉を刃物ででも断ち切るように、ぴたっと唇をひきむすんだ。