Classici giapponesi con furigana
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あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
Leggi あすなろう di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.925 caratteri · 41 schermate
と文次が云った、「尤も、百両というのも怪しいし、娘の来るっていうのも怪しいがな」
「嘘じゃねえ正真正銘だってば」
「本金杉で質両替っていえば徳銀だろう」と文次が云った、「あれだけの物持のうちの娘が、こんな見えすいた手に乗るたあ思えねえ、案げえおめえのほうで一杯くわされてるんじゃあねえのか」
「じゃあためしてみねえな」と政はむっとした口ぶりで云った、「この向うに天福寺ってえ寺があるだろう」
「天福寺は知ってる」
「その境内に大きな檜があるが、そこで十時におち合う約束なんだ」
「おめえは間違ってる」
「まちげえなしだってばな」
「間違ってるよ」文次は二杯続けて呷った、「あの木は檜じゃあねえ、あすなろうっていうんだ」
「なんだ、木の話か」と云ってから、政は文次を見た、「――あすなろう、へんな名じゃあねえか、初めて聞いたぜ」
「小せえときはひばっていうんだ、檜に似ているが檜じゃあねえ、大きくなるとあすなろうっていう、あしたは檜になろうっていうわけさ、ところがどんなに大きくなってもあすなろう、決して檜にゃあなれねえんだ」
政は眼を伏せ、なんの意味もなく、茶のはいっている