Classici giapponesi con furigana
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あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
Leggi あすなろう di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.925 caratteri · 41 schermate
とおじぎをした。
「どうぞ召上っておくんなさい、もうそうぞうしいこともないでしょうから」
「いまの男はどうした」と三人伴れの客の一人が訊いた、「うまく捉まったか」
「どうですかね」とあるじが答えた、「なにしろすばしっこい男で、あっしの脇をぬけて裏口へ出ていったんだが、まるっきり煙でもながれてくようなあんばいでしたよ」
「帰ってもいいのかな」と向うから客の一人が云った。
「済みませんが待っておくんなさい」とあるじが云った、「誰も動かすんじゃあねえって云ってましたから、どうかもうちょっとそのままでいておくんなさい」
そして、もういちどおじぎをして、あるじは板場へ戻った。
「ひでえめにあうぜ」と客の一人が云った、「人間なんてどこでどんなめにあうかしれたもんじゃあねえ、嬶の親類が来ていて、今夜はおらあもうけえっていなくちゃあいけねえんだ」
「また始めやあがる」とその伴れの一人が云った、「こいつは口を開けば嬶だ、どうしてそんなに嬶が気になるんだ」
「気になるなんてなまやさしいもんじゃねえ」と他の一人が云った、「こいつはかみさんに惚れてやがるんだ、いっしょになって十年の余も経つてえのによ、いやなやつさ」