Classici giapponesi con furigana
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あめんちあ
あめんちあ
富ノ沢 麟太郎
Leggi あめんちあ di 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.594 caratteri · 83 schermate
綱は大波を打って、空気を裂いてはげしく揺れた。
ペテロも亦、はずみを食って転落した――しかし彼は頭部を倒にして、足をもって綱にぶらさがった。
綱は弾んで鳴った。
拍手
鯨波
観客は荒された丘の畑のように乱れ、どよめくままに鯨波とともに総立になった。
渦巻く声――
渦巻く声――
高翔する声――
空気は意識あるもののように鳴った。
この記念すべき光景――
この記念すべき言葉――
狼煙のように、サルフィユの言葉は空中へ突進した。
「満場のみなさま、御覧下さい。
ペテロの靴の踵に附いている金具を御覧下さい。
ペテロ君が、きょうまで、綱の上で暮して来た金具を御覧下さい。
おれよりもすぐれたようなふうをして……」
彼はこう語り終って、空を見上げながら自分でも解らないことを低い調子で独り言していた。
そうして彼等二人は、いままで思い思いの考えごとを楽しんでいたかのように、無言のままでしかも顔を隠し合いながら、淋れてゆく秋の庭を眺めていた。
「ペテロとサルフィユとの心理は一応呑込めるが、話としてもその表現はイージーゴーイングだね、しかし大へんすばらしい思いつきだよ……」
彼の親友青沼白心は、突然投げつけるように言って、折り立てた膝の間へ自分の顎を挟んで、庭の隅の方を※めていた。