Classici giapponesi con furigana
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あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Leggi ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.878 caratteri · 25 schermate
わたしは素肌でその真ただ中へ飛び込むのだ。ただそれだけだ。
(青年の血相が変り鬼畜の形になって蓮月に飛びかかる。蓮月静かにふりほどき、利き手をとって青年を座に据え伏せる。)
無名の青年 ――獣だ! 獣だ! 獣だ! (うめくようにいう。)
蓮月 ――それで様子がすっかり判りました。お気の毒に存じます。わたくしとても女の身です。それほどまでに思いつめなされたあなたのお心を、何で粗略に思いましょう。何はともあれ先ず気をお静めなさって下さい。
(青年をいたわり背を撫で茶椀に水を汲んで来て与えなどする。青年落ち付く。蓮月の変った態度に、少し恥かしそうにうつ向いてかしこまる。)
蓮月 ――この上はわたくしも俗の女の身に還ってあなたのお志に向いましょう。その上で本当にあなたのお志が受けられますかどうかが極まります。ですからあなたも悪の獣のなどと無理な事を仰しゃらずに、以前の素直な青年におかえりなさいまし。
無名の青年 ――それは本当ですか。
蓮月 ――何で偽を云いましょう。しかし、この法服姿で恋の問答は流石仏に対して恐れ多う御座います。只今脱ぎ換えて参りますからしばらくお待ち下さい。