Classici giapponesi con furigana
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あるおとこといちじく
ある男と無花果
小川 未明
Leggi ある男と無花果 (あるおとこといちじく) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 563 caratteri · 2 schermate
ある男が、縁日にいって、植木をひやかしているうちに、とうとうなにか買わなければならなくなりました。そして、無花果の鉢植えを買いました。
「いつになったら、実がなるだろう。」
「来年はなります。」と、植木屋は答えました。しかしその木は、小さくありました。
男は、それを持って帰る途中夕立にあいました。
もう、そのときは、そんな木どころではありません。木などは、どうでもよかったのです。友だちの家に頼って、雨のやむまで待って、帰りには、その無花果の鉢を預けてゆきました。
幾月も、幾年もたちましたけれど、男は、忘れたものか、友だちの家へあずけた木を取りにゆきませんでした。
しかし、この男は、なかなか欲深でありました。五、六年もたって、ふと、いつか自分は無花果の木を友だちのもとにあずけておいたことを思い出しました。さっそく取りにゆきました。
「あなたが、きっと取りにおいでなさると思って、大事に育てておきました。」と、その家の人はいって、裏庭に案内しました。
大きな無花果の木に、実がいっぱいなっていたのです。男は、驚きました。かつ当惑しました。しかたがなく、掘って、車に載せて帰りました。