Classici giapponesi con furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Leggi いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.226 caratteri · 128 schermate
お島はくすくす笑い出した。
「何が可笑しいんだ」
と聞いても尚お笑う。笑うと撲るぞと言っても未だ笑う。馬鹿な奴だ。そして笑いながら斯う言った。
「それは坊ちゃんが百合子さんを恋しているからですよ」
「左様か知らん」
「左様で厶いますとも。恋しているもんで、百合子さんが来ると胸がどきどきするんですわ」
と又笑やがった。乃公は事によると左様かも知れないと思った。するとお島は何処までも悪い奴だ。
「坊ちゃん、あなた花を買って来て百合子さんに上げて御覧なさい。百合子さんがそれを受取て顔を赤くすれば先方でもあなたを恋しているんです」
「若し赤くしなかったら何うだろう」
「それなら坊ちゃんが失恋よ」
乃公は大概失恋になるだろうと思った。けれどもお島が余り勧めるもんだから物は試しだと思って花をやる気になった。そしてお島は黙っている約束をした。若し喋ろうもんなら、此間彼の藪睨みにお金をやった事を曝らしてやる。
乃公は早速奮発して五十銭の花を買って来て、百合子さんにやった。「難有よ」といったきりで百合子さんは平気な顔をしている。それ見ろ。乃公はトウトウ失恋になってしまった。最早此んな薄情な奴とは遊ばないからいいや。