Classici giapponesi con furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Leggi いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.226 caratteri · 128 schermate
「あんな音なしい犬はなかったのに」
とお母さんが泣きそうになった。
「お前のような馬鹿はない」
とお父さんが乃公を叱った。車掌は乃公を食いそうな顔をしやがった。
乃公が車の中を彼方此方遊んで歩くものだから、お母さんは一日心配していた。それで日が暮れると直ぐに、乃公は寝台へ押し込められてしまった。けれどもなかなか眠られやしない。
乃公の隣の寝台にいる奴が鼾をかいて八釜しくて仕方がない。お前一人の寝台車じゃないんだから音なしくしなくっちゃいけないよ。静かにしないと酷いよ。何と言っても平気でゴオゴオいっている。公徳心のない奴だ。
乃公は余り腹が立ったから、そっと起き出して、其奴の足を留針で突いてやった。突いた時丈けは音なしくするが、少し経つと又直ぐに始める。それで乃公は五六度臥たり起きたりした。すると終には痛い痛いと大きな声を出した。鼾丈けでも随分迷惑しているのに、泣くなんて真正に聞分けのない奴だ。けれども其からは懲りたと見えてゴオゴオいわなくなった。
其中に乃公は喉が渇いた。水を持って来いといえば係りの男が持って来るだろうけれど、人を呼んだりしては他所の安眠の妨害になると思って、乃公はそっと起きて水を飲みに行った。