Classici giapponesi con furigana
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いちょうのみ
いちょうの実
Leggi いちょうの実 (いちょうのみ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.
N4 · base · kanji e kana moderni · 2646 caratteri · 6 schermate
」
「だから、ぼくあげるよ。おっかさんをわるく思っちゃすまないよ。」
そうです。このいちょうの木はおかあさんでした。
ことしは千人の黄金色の子どもが生まれたのです。
そしてきょうこそ子どもらがみんないっしょに旅にたつのです。おかあさんはそれをあんまり悲しんでおうぎ形の黄金の髪の毛をきのうまでにみんな落としてしまいました。
「ね、あたしどんなとこへいくのかしら。」ひとりのいちょうの女の子が空を見あげてつぶやくようにいいました。
「あたしだってわからないわ、どこへもいきたくないわね。」もひとりがいいました。
「あたしどんなめにあってもいいから、おっかさんとこにいたいわ。」
「だっていけないんですって。風が毎日そういったわ。」
「いやだわね。」
「そしてあたしたちもみんなばらばらにわかれてしまうんでしょう。」
「ええ、そうよ。もうあたしなんにもいらないわ。」
「あたしもよ。今までいろいろわがままばっかしいってゆるしてくださいね。」
「あら、あたしこそ。あたしこそだわ。ゆるしてちょうだい。」
東の空のききょうの花びらはもういつかしぼんだように力なくなり、朝の白光りがあらわれはじめました。