Classici giapponesi con furigana
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いとこどうし
いとこ同志
宮本 百合子
Leggi いとこ同志 (いとこどうし) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7760 caratteri · 16 schermate
今からもう二十一二年昔、築地の方に、Sと云う女学校がありました。その女学校の一年の組に、政子さんと芳子さんと云う生徒が居りました。私はこれから此の両人と、両人のお友達だった友子さんと云う人との間にあった事を皆さんに聞いて戴こうとするのです。
政子さんと芳子さんとは、従姉妹同志で、小学校の時分から、一緒の家に住んでいました。政子さんのお父様は立派な学者でしたが、体がお弱くて、早くお没なりになり、お母様も直ぐ死んでおしまいになったので、まだ小さい政子さんはたった一人ぼっちの可哀そうな子供になってしまいました。そこで、伯父様に当る芳子さんの御両親が、自分の子のようにして、育ててあげて来たのです。
政子さんは、何でも芳子さんと同じにして大きくなりました。同い年で小学校を卒業し、同い年で同じ学校に入り、両人は真個の仲よしで行く筈なのでした。
芳子さんは、政子さんが、自分よりは可哀そうな身の上であるのをよく知っていましたから、いつも同情して政子さんの為に成るように、政子さんが幸福に楽しく暮せるようにとばかり、気をつけていたのです。
こうして両人ともほんとうの子供だった時、何の不平もなく何のいやな事もなく過ぎていました。