Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おぎん

おぎん

芥川 竜之介

Leggi おぎん di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5235 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

が、孫七やおすみを見ると、急にその前へ跪きながら、何も云わずに涙を流した。孫七はやはり眼を閉じている。おすみも顔をそむけたまま、おぎんの方は見ようともしない。

「お父様、お母様、どうか勘忍して下さいまし。」

おぎんはやっと口を開いた。

「わたしはおん教を捨てました。その訣はふと向うに見える、天蓋のような松の梢に、気のついたせいでございます。あの墓原の松のかげに、眠っていらっしゃる御両親は、天主のおん教も御存知なし、きっと今頃はいんへるのに、お堕ちになっていらっしゃいましょう。それを今わたし一人、はらいその門にはいったのでは、どうしても申し訣がありません。わたしはやはり地獄の底へ、御両親の跡を追って参りましょう。どうかお父様やお母様は、ぜすす様やまりや様の御側へお出でなすって下さいまし。その代りおん教を捨てた上は、わたしも生きては居られません。………」

おぎんは切れ切れにそう云ってから、後は啜り泣きに沈んでしまった。すると今度はじょあんなおすみも、足に踏んだ薪の上へ、ほろほろ涙を落し出した。これからはらいそへはいろうとするのに、用もない歎きに耽っているのは、勿論宗徒のすべき事ではない。