Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おりつとこらと

お律と子等と

芥川 竜之介

Leggi お律と子等と (おりつとこらと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.195 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

「それがいかんですな。熱はずんずん下りながら、脈搏は反ってふえて来る。――と云うのがこの病の癖なんですから。」

「なるほど、そう云うものですかな。こりゃ我々若いものも、伺って置いて好い事ですな。」

お絹の夫は腕組みをした手に、時々口髭をひっぱっていた。慎太郎は義兄の言葉の中に、他人らしい無関心の冷たさを感じた。

「しかし私が診察した時にゃ、まだ別に腹膜炎などの兆候も見えないようでしたがな。――」

戸沢がこう云いかけると、谷村博士は職業的に、透かさず愛想の好い返事をした。

「そうでしょう。多分はあなたの御覧になった後で発したかと思うんです。第一まだ病状が、それほど昂進してもいないようですから、――しかしともかくも現在は、腹膜炎に違いありませんな。」

「じゃすぐに入院でも、させて見ちゃいかがでしょう?」

慎太郎は険しい顔をしたまま、始めて話に口を挟んだ。博士はそれが意外だったように、ちらりと重そうなの下から、慎太郎の顔へ眼を注いだ。

「今はとても動かせないです。まず差当りは出来る限り、腹を温める一方ですな。それでも痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、注射でもして頂くとか、――今夜はまだ中々痛むでしょう。