Classici giapponesi con furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Leggi お父さん (おとうさん) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.548 caratteri · 76 schermate
なんでも思うままに正直に書くのがいいのだそうです。秋になったら、おとうさんがまたおとぎばなしをして下さるそうです。
おとうさんは、このごろ近所の商業学校の夜学へ数学をおしえに行かれるようになりました。おかあさんは、四五日前から起きられるようになりました。となりの本田さんのおばさんにもずいぶんお世話になったので、そのうち鶏でもつぶしたら、お礼に半分あげるのだとおとうさんがいっていましたけれど、僕は、何だか、自分の家でかっていた鶏を殺す気にはなれません。
鶏は何も知らないで、こっこ、こっこと庭に遊んでいます。この夏はあまり暑かったので卵も生みません。でも、今年は豊年がたの暑さだというので何だかぱあっと明るい気がします。おとうさんが、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありとおっしゃったことが思いあたるようで、豊年で、お米がたくさん出来るといいなと思いました。
「うちのこっこちゃん、殺されるのいやね」
静子がさびしそうにして、とても気にしています。
「大丈夫だよ。僕たちでがんばれば、おとうさんだって殺すことをあきらめてしまうさ――」
「そうかしら、でも、鶏って、人間に食べられるために生れてるみたいでかわいそうね――何も知らないで、土をほじくってるのをみると哀れになるわ」