Classici giapponesi con furigana
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かき・みかん・かに
かき・みかん・かに
中島 哀浪
Leggi かき・みかん・かに di 中島 哀浪 (なかじまあいろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1402 caratteri · 3 schermate
というのがあって、作者の私だけには愛着の深いものの一つである。二間も三間もある長い竹竿を秋晴の空に差しあげて、まぶしい眼をしかめて柿の実をちぎるだけでも相当の技量が要るのに、あの実ならとねらってちぎったものに滅多に渋いのは無かった。それは幾十年という長い年月をこの山里に生いたった者の淡い誇りでもあり、果実と山人との間の天然の親しみの不可分な妙境の尊さででもあった。果物は四季に実った。しかし秋、秋も柿が不思議なほど私に多くの歌を詠ませた。歌壇の一部では私を柿の歌人などと言っているそうである。
また、みかんがあった。
でも、みかんは子供とが仲よしで、歌を作るころはすでにあまり親しまなかった。そうして私は子の親になっていて
夕食食す子らのどの子かにほふなりすでにみかんをもぎはじめたり
湯に入ると帯解く吾子のふところの青きみかんの落ちてころがる
こうした歌を詠んだりした。柿はどんなに食っても隠せたが、みかんだけは知恵をしぼって裏の川で洗ってきてもいつのまにか着物などに泌みこんでいる芳烈なにおいであった。自分の少年時を追懐しては、そうひどくしかれなかったりして、父の甘さが時々妻の逆鱗に触れたのであった。