Classici giapponesi con furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Leggi ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 164.113 caratteri · 332 schermate
と答えました。残余は最早他愛ないです。音八は何食わぬ顔で刀の手入れを引受けました。そうして磨ぎの上る約束の日に武士が来た時捉えてその刀で仇討を果しました。この刀はこの上の観音寺に今でも飾ってあります」
と爺さんは物語を終った。
僕達は茶屋に休んで夜泣飴を喰べた。奥さん達は何時の間にか田鶴子さんと話を始めて、
「おや、本郷でございますの? 私達は池之端でございますわ」
と一人が嬉しがると、もう一人が、
「本郷は何の辺でございますの?」
「弥生町でございます。お近いわね」
と田鶴子さんは二人を相手にしている。
「あらまあ、弥生町? 真正にお近いのね。それでは東京でお目にかゝったことがあるのでございましょうよ。何だかお見かけ申したお方のように存じましたもの」
「世の中も割合に狭いものですわね。こんな山の中へ参ってもつい目と鼻の間のお方に遭うのでございますもの」
「それだから悪いことは出来ませんわ。お嬢さんは此処からもうお引き返しなさるのでございますか?」
「さあ、確か然うでございましょうよ。馬鹿ね、私も随分。自分で自分のことが分らないのですもの」
と田鶴子さんは表情たっぷりに笑った。