Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
けむりをはかぬえんとつ
けむりを吐かぬ煙突
夢野 久作
Leggi けむりを吐かぬ煙突 (けむりをはかぬえんとつ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.836 caratteri · 28 schermate
点けっ放しの百燭光に照らされたインキの文字がまだ青々していた。その原稿の上に、内ポケットから取出した裸のままの千円の札束を投げ出した。それから素裸体になって、外套や服はもとより、ワイシャツから猿股まで検査した。どこにも異状のないことをたしかめてから、モトの通りに着直した。少々寒かった。
寝台の脚にかけたフランネルの布で靴を磨き上げた。自動車のマットで念入りに、拭い上げておいたものではあったが……。
室の隅の洗面器で音を立てないように手を洗った。立てても差支えないとは思ったが……。
最後に私は椅子の上に置いた帽子を取上げて叮嚀にブラシをかけた。細かい蜘蛛の糸が二すじ三筋付いていたから、特に注意して摘み除けた。ブラシに粘り付いたのと一緒に指先で丸めて、洗面器のパイプに流し込んだ。
そのまま室の隅の帽子かけに掛けようとしたが、その序に何の気もなく内側を覗いてみるとギョッとした。JANYSKA と刻印した空色のマークの横に、黒と金色のダンダラになった細長い生物がシッカリと獅噛み付いている。のみならずその右の前足の一本だけを伸ばしてソロソロと動かしかけているようである。