Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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『このこころのほこり』

『この心の誇り』

宮本 百合子

Leggi 『この心の誇り』 (『このこころのほこり』) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8535 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

彫刻の教師であるディヴィッド・バーンスが彫刻修業のためパリに行けと云っても、スーは良人や子供たちとはなれては充実しない自分の生活感情をはっきり知っていて、その誘いに応じなかった。

スーザンは、自然でゆたかな一人の女として、愛する良人のマークなしで生きてゆける自分だとは思っていなかった。彼女は彼なしに生きてゆくことは出来ないのだ。けれども、彼だけでは満足出来ない。子供だけでも、家だけでも、両親だけでも、町だけでも、彼女は満足出来ない。けれども、彼女にはこのどれがなくても、自分の命の充実は欠けて感じられる。自分の仕事だけでも、やはり彼女には満足出来ないのである。

マークが、スーザンのその心持の核心をついに掴めなかったということは何という悲劇であったろう。自分が彼女にとってなくてはならないものであって、同時に彼女は彼というものだけで満足しきれないものをも持って生きているのだということを、マークはついに理解出来ず、遠いところを見つめている女を愛しつつ生への執着力をうしなってしまった。

読んで来て私はこの小説がアメリカの婦人作家によって書かれたということを二重の意味で考えた。