Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
そのきどをとおって
その木戸を通って
山本 周五郎
Leggi その木戸を通って (そのきどをとおって) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.448 caratteri · 44 schermate
食事をさせたあとで少し横にならせよう、疲れが直ったら仔細がわかるだろうから。むらがそう云うので、吉塚はその娘を妻女に任せた。
「娘はむらの云うことをすなおに聞き、食事のあとで横になると、二刻あまりもよく眠りました」と吉塚が続けて云った、「――眼がさめたので洗面をさせ、鏡台の前へ坐らせたが、自分ではなにもしようともしません、そこで妻が髪を直してやりながらいろいろ訊いたそうです」
だが娘は「正四郎に会う」ということ以外、なにも記憶していなかった。自分の家がどこにあるかも、自分の名さえもわからない。もちろん正四郎に会う目的もわかっていない、ということであった。
「おかしな話だ、くさいぞこれは」と正四郎は云った、「どこかにくさいところがある、なにかこれには裏があるぞ」
吉塚助十郎はなにも云わなかった。
「その、――」と正四郎が訊いた、「加島のともえどのが来たとき、その娘を見たということだが、どこにいたんだ」
「お庭を歩いていたようです」と吉塚が答えた、「申上げたようなわけで、追い出すということもできません、貴方がお帰りになればなにかわかるかと存じましたので」
正四郎は手をあげて遮った、「それはいい、そんなことは構わないが、――こいつはうっかりするととんだことになるぞ」