Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Leggi 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.470 caratteri · 244 schermate

Aozora Bunko

魔味とはこの肉膚を指すのではないかと思う。上品にして細やかな脂肪が全身に乗って淡紅の色目ざむるばかりだ。

刺身、塩焼き、照り焼き、潮汁、うま煮など。肉を箸につまんで舌端に乗せれば、唾液にとけて、とろとろと咽喉に落ちる。風味、滋味、旨味、いやほんとうに何とも申されぬ。この鮮醤の持つ舌への感覚は魔味と称して絶讃するほかに言葉がないであろう。

一尾三、四百匁位までの小物は、まだ肉に旨味が乗ってこない。しかし、七、八百匁から一貫五、六百匁ほどに育った大物は、絶品中の絶品である。昔から、啖えば三年前の古傷が痛むといわれているほどであるから、その味品たるや知るべきである。殊に前橋地方の中流に産するものよりも、渋川町から上流の群馬郡北部から利根郡内にまで遡った鱒は、一層味品が肥えている。

鱒と共に、推賞に値するものに、利根川の鰍がある。鰍は、親族同胞数多く、九州から中国地方へかけただけでも四十種類以上あるから、日本全国調べたなら随分数多い種類に達するであろう。

北陸地方でごり、京都でどんこ、信州でうばがしら、江州でおこぜ、美濃でびんが、駿河でひとつばね、野州ではぜと呼ぶのも皆同じである。