Classici giapponesi con furigana
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つばめとうお
つばめと魚
小川 未明
Leggi つばめと魚 (つばめとうお) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 2208 caratteri · 5 schermate
そして、心からそう思うもののごとく、
「いいな、こんな魚たちは、なんにも知らずに、のらり、くらりと、ただ食べて、泳いでいられて、おれたちは、病気で、仕事を一日休むのも、容易でないんだからな。」と、ひとりごとをいいました。
たとえ、それが事実であっても、この世の中では、まだ少年に真に同情するものがなかったのです。少年は、また重そうに病める足を引きずりながら、歩いていきました。
日が暮れると、このごろは毎晩のように、いい月が出ました。月は町の家々を照らして、戸のすきまからのぞきこみました。
「こんな月を見ると、さすがに、くにを思いだすな。」と、熱帯魚の一匹が、いいました。
「あのジャングルを流れる、おれたちのすんでいた川をてらすだろうか。」と、ほかの一匹も、月をながめました。
「しかし、こういう月夜に、私たちは、よくあの怖ろしいへびにねらわれたものだ。それを考えると、二度と、あの川へ帰りたいと思わない。」
「そうだけれど、おれたちのきょうだいが、あすこにいるだろう。つばめさんが帰るとき、ことづてを頼もうじゃないか。」と、魚たちは、清らかに、月のさし込む、ガラスばちの中で話をしていました。