Classici giapponesi con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate
「西の人はゆっくりだってのにあなたは随分せっかちだ事」
母はこんな事を云いながら送った、私も御仙さんのふんだ足あとをボカすようにしてあるいた。
「あすは歌舞伎や」
御仙さんが車にのる時チョッとこんな事を云った。
「さようなら、御仙さん、近い内」
私が斯う云った時車の上の御仙さんは、
「上りまっせ、こんどは人形はんか何かもってなも」
こんな事を云った。私と母は、かおを見合せて笑んだ。
「御めんやす」
御まきさんが斯う云うと車は段々くらい方に入ってしまった。
「京都で育った娘なんて随分ぼんやりなもんだ事、けれども御化粧だけは随分気がつくもんだ事」
「厚い御化粧で長い袂と着物であんなあたまで御かざりにはいいけれど」
母と二人でこんな事を云いあった。
御仙さんの云ったことばやそぶりなんかでいつまでも忘られないほどのとこは一つもなかった。ただいつまでもあの唇の紅と千鳥むすびと花ぐしとすり足ばかりが目の前にちらついて居た。