Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうげのちゃや

とうげの茶屋

小川 未明

Leggi とうげの茶屋 (とうげのちゃや) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 6035 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

」

「歩くものが、なくなりましょうな。そうすれば、もう、この商売もどうなりますか。」

おじいさんは、力なくいいました。

「世の中が、便利になれば、一方に、いいこともあるし、一方には、わるいこともある。しかし、そこは頭の働かせようだ。考えてみさっしゃい。近い他の村から、みんなこの道へ出てくるだろう。バスの停留場が、この家の前にでも着くことに決まったものなら、この店はいくら繁昌するかしれないぜ。」

「そうでございましょうか。」と、おじいさんは、白髪頭をかしげて、あたらしくいれた茶を助役の前へ出しました。助役は茶わんをとり上げながら、

「それも、運動するのはいまのうち、早いほうがいいぜ。」といいました。

「運動するといいましても、なにぶん、この年寄りひとりではどこへも出られません。」と、おじいさんは、かしこまってすわり、ひざの上で、しなびた手をこすっていました。

「なに、おまえさんがその気なら、代わって運動をしてやってもいい。」と、若い助役は、相手の心持ちを読みとろうと、鋭く、おじいさんの顔を見ました。

おじいさんは、心で、どうせそれには金がいるんだろう。いったい、いくらばかりあったら、その望みがかなえられるのかと、もじもじやっていました。