Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
どんづまり
どんづまり
宮本 百合子
Leggi どんづまり di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2086 caratteri · 5 schermate
あかんべーだよ」
雪のかたまりを男はけとばした。
「いくら死なそうたって病気にはならねえし、あいにく竹庵どのにはナ、これでも生れてから一度だって御やっけえになった事はねえんだ!」
目には見えないでもすさまじい音をたてて頭の上で鎌をふりまわして居る黒い影のあるのを感じた男ははかなげにこう云いながら立ちどまってぐるっとあたりを見廻した。
うす黒い乳っくびの様な形のものは男の囲りに無数に□って来た。
前にだらりっとさげた布をあげると目玉のない鼻のないものが出てガタガタガタと笑ってはひしひと男にせまって来た。
その呪われたものの様な影の次にはまっしろな雪がキラキラ闇の中に光って居る。
あくんで居る男の足はいてついた様になって頭に血がドカドカとのぼって舞った。
のぼりつめて行きどこのない血はその小っぱけなろくでもない頭の中をあばれまわった。
「こんちく生!」
おどり上って男が叫ぶと一緒に頭の上に何かが落ちかかって来るのを感じた。
それからあとは男は何にもしらなかった。
夢中の様な形をして道のない雪をけたてて走りさる男の人間らしい形は段々小さくなってたった一つの黒点になってころがって行った。