Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
「の」のじのせかい
「の」の字の世界
佐藤 春夫
Leggi 「の」の字の世界 (「の」のじのせかい) di 佐藤 春夫 (さとうはるお) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.
N4 · base · kanji e kana moderni · 1431 caratteri · 3 schermate
うたちゃんは、三人兄弟の末で、来年からは幼稚園へ行こうというのですが、早くから、自分ではお姉ちゃん気どりで「えいちゃん」「えいちゃん」と、自分をよんでいます。「えいちゃん」とは、ねえちゃんのかたことなのです。
うたちゃんは、「えいちゃん」だけに、二つ上のなき虫の兄がなくと、すぐ手ぬぐいを持って行って、なみだをふいてやったり、頭をさすったり、まことによく気のつく、りこうな子なのです。それだのに、どうしても字をおぼえません。なき虫の兄さんの方は、うたちゃんの年ごろには、だれも少しも教えないのに、野球かるたで、平がなはすっかり読み書きをおぼえ、それからは、すもうの名まえといっしょに、その本字までたくさんおぼえていたものです。兄弟でも、これほどちがうものか。うたちゃんも、今にはひとりでおぼえるだろう、といっていても、なかなかそのけぶりもありません。うたちゃんは、え本でもなんでも、あけてみてはすぐおもしろいお話をこしらえて、みなひとりで読んでしまうのです。これでは、まるで字の必要もないわけなのだ、と気がつきました。それにしても、自分の名まえぐらい書けないではようち園でもこまるだろう。