Classici giapponesi con furigana
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ひとごろし
ひとごろし
山本 周五郎
Leggi ひとごろし di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.607 caratteri · 45 schermate
六兵衛は吃驚してとび起き、どうした、なにかあったのかときいた。さっきの女中がなにか知らせに来たもの、と直感したのであるが、そうではなくて、十七八とみえる美しい娘が、彼を見おろして立っているのであった。――娘はほっそりした小柄な躯で、おもながな顔に眼鼻だちのはっきりした、六兵衛にとって生れて初めて見るような美しい姿をしていた。けれども娘の表情は、怒ったときの妹のかねのそれとよく似てい、彼には美人だなという感想よりも、この娘は怒っているなという感じのほうが先にきた。
「まあ呆れた」娘は行燈の火を明るくし、六兵衛のようすを吟味するように見て云った、「――あなたはいつもそんな恰好で寝るんですか」
「そんなことはない」六兵衛は首を振った、「にんげん誰だって、いつもこんな恰好で寝るわけにはいかないでしょう、それとも、あなたはできますか」
「あたしは女中のさくらから事情を聞きました」娘は彼の言葉など聞きながして云った、「あなたはうちの二階にいるお客を、闇討ちにしようとしているそうですね」
六兵衛はちょっと考えてから反問した、「それはどういうことですか」
「きいているのはあたしのほうです」