Classici giapponesi con furigana
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ふもれすく
ふもれすく
辻 潤
Leggi ふもれすく di 辻 潤 (つじじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.833 caratteri · 37 schermate
それにも拘わらず僕はとかく引き合いに出される時は、大杉君を蔭でホメているように書かれる。だがそれは随分とイヤ味な話である。僕は別段改まって大杉君をホメたことはない。ただ悪くいわなかった位な程度である。僕のようなダダイストにでも、相応のヴァニティはある。それは、しかし世間に対するそれだけではなく、僕自身に対してのみのそれである。自分はいつでも自分を凝視めて自分を愛している、自分に恥ずかしいようなことは出来ないだけの虚栄心を自分に対して持っている。ただそれのみ。もし僕にモラルがあるならばまたただそれのみ。世間を審判官にして争う程、未だ僕は自分自身を軽蔑したことは一度もないのである。
同棲してから約六年、僕らの結婚生活ははなはだ弛緩していた。加うるに僕はわがままで無能でとても一家の主人たるだけの資格のない人間になってしまった。酒の味を次第に覚えた。野枝さんの従妹に惚れたりした。従妹は野枝さんが僕に対して冷淡だという理由から、僕に同情して僕の身のまわりの世話をしてくれた。野枝さんはその頃いつも外出して多忙であった。
しばしば別居の話が出た。僕とその従妹との間柄を野枝さんに感づかれて一悶着起こしたこともあった。