Classici giapponesi con furigana
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ふもれすく
ふもれすく
辻 潤
Leggi ふもれすく di 辻 潤 (つじじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.833 caratteri · 37 schermate
しかし、幸いにしてこんどだけは僕の家が潰れて引っ越してしまったので、まこと君は大杉ヤのおじさんに連れて行かれず、そのかわり気の毒な宗一君が身代りになったようなわけで、これを考えると僕は宗一君は知らないが、どうもやはりまこと君と同じように少しも区別がつかずに宗一君のことを連想するようになって、従って宗一君のおかあさんのことが考えられて、野枝さんのことが考えられて、――僕は思わず無意識に哀れな僕の伴侶の驢馬君のケツを思い切りヒッパタイていささか心やりとするのだが、ポケットにピストルを入れて文学をやるルウマニアのトリストラム・ツアラアのことを考えてもみるのである。
まことに植木鉢はいつバルコニーから頭上に落ちてきまいものでもないこの人生において、今夜カフェの女給さんにやるチップが一銭もないことを徒に下宿の二階で瞑想するハンス・アルプも随分と馬鹿ではあるが、親愛なるまこと君と上総の海岸にいる流二君のことを徒に考えて、阿呆らしき原稿を書いている僕の如きオヤジも随分と唐変木ではある。
流二君はまこと君に二歳の弟にして、野枝さんはかって大杉君と一緒に駈け落ちして、困りぬいた揚句、乳児の流二君を上総の海岸にオイテキボリをくわしたのであった。