Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Leggi みさごの鮨 (みさごのすし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.198 caratteri · 47 schermate

Aozora Bunko

血は上ずっても、性は陰気で、ちり蓮華の長い顔が蒼しょびれて、しゃくれてさ、それで負けじ魂で、張立てる治兵衛だから、人にものさ言う時は、頭も唇も横町へつん曲るだ。のぼせて、頭ばっかり赫々と、するもんだで、小春さんのいい人で、色男がるくせに、頭髪さ、すべりと一分刈にしている処で、治兵衛坊主、坊主治兵衛だ、なあ、旦那。」

かくと聞けば、トラホーム、目の煩いと思ったは恥かしい。袂に包んだ半紙の雫は、まさに山茶花の露である。

「旦那さん、何を考えていなさるだね。」

三

「そうか――先刻、買ものに寄った時、その芸妓は泣いていたよ。」

「あれ、小春さんが坊主の店に居ただかね。すいても嫌うても、気立の優しいお妓だから、内証で逢いに行っただろさ。――ほんに、もうお十夜だ――気むずかしい治兵衛の媼も、やかましい芸妓屋の親方たちも、ここ一日二日は講中で出入りがやがやしておるで、その隙に密と逢いに行ったでしょ。」

「お安くないのだな。」

「何、いとしゅうて泣いてるだか、しつこくて泣かされるだか、知れたものではないのだよ。」

「同じ事を……いとしい方にしておくがいい。」

と客は、しめやかに言った。