Classici giapponesi con furigana
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みさごのすし
みさごの鮨
泉 鏡花
Leggi みさごの鮨 (みさごのすし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.198 caratteri · 47 schermate
たが、わけてこの座敷は陰気だった。
頼もしいほど、陽気に賑かなのは、廂はずれに欄干の見える、崖の上の張出しの座敷で、客も大勢らしい、四五人の、芸妓の、いろいろな声に、客のがまじって、唄う、弾く、踊っていた。
船の舳の出たように、もう一座敷重って、そこにも三味線の音がしたが、時々哄と笑う声は、天狗が谺を返すように、崖下の庭は暮れるものを、いつまでも電燈がつかない。
小春の藍の淡い襟、冷い島田が、幾度も、縁を覗いて、ともに燈を待ちもした。
この縁の突当りに、上敷を板に敷込んだ、後架があって、機械口の水も爽だったのに、その暗紛れに、教授が入った時は一滴の手水も出なかったので、小春に言うと、電話までもなく、帳場へ急いで、しばらくして、真鍮の水さしを持って来て言うのには、手水は発動機で汲上げている処、発電池に故障があって、電燈もそのために後れると、帳場で言っているそうで。そこで中縁の土間の大な石の手水鉢、ただし落葉が二三枚、不思議に燈籠に火を点したように見えて、からからに乾いて水はない。そこへ誘って、つき膝で、艶になまめかしく颯と流してくれて、
「あれ、はんけちを田圃道で落して来て、……」