Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Leggi みさごの鮨 (みさごのすし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.198 caratteri · 47 schermate

Aozora Bunko

もはや臨終だそうである。

「頂戴しました。――貰ったぞ。」

「旦那さん、顔が見たいが、もう見えんわ。」

「さ、さ、さ、これに縋らっしゃれ。」

と、ありなしの縁に曳かれて、雛妓の小とみ、弟が、かわいい名の小次郎、ともに、杖まで戸惑いしてついて来て、泣いていた、盲目の爺さんが、竹の杖を、お光の手に、手さぐりで握らせるようにして、

「持たっしゃれ、縋らっしゃれ。ありがたい仏様が見えるぞい。」

「ああい、見えなくなった目でも、死ねば仏様が見られるかね。」

「おお、見られるとも、のう。ありがたや阿弥陀様。おありがたや親鸞様も、おありがたや蓮如様も、それ、この杖に蓮華の花が咲いたように、光って輝いて並んでじゃ。さあ、見さっしゃれ、拝まっさしゃれ。なま、なま、なま、なま、なま。」

「そんなものは見とうない。」

と、ツト杖を向うへ刎ねた。

「私は死んでも、旦那さんの傍に居て、旦那さんの顔を見るんだよ。」

「勿体ないぞ。」

と口のうちで呟いて、爺が、黒い幽霊のように首を伸して、杖に縋って伸上って、見えぬ目を上ねむりに見据えたが、

「うんにゃ、道理じゃ。俺も阿弥陀仏より、御開山より、娘の顔が見たいぞいの。