Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みのりをゆたかに

みのりを豊かに

宮本 百合子

Leggi みのりを豊かに (みのりをゆたかに) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3827 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

部屋を照す電球が買えないのと等しく、ラジオのための真空管は、普通人には買えないものの一つとなっている。

ラジオは文化の享受面に立つものであるけれども、今日では誰の目にもそれが直接日本の生産技術の低さと繋った不自由に縛られていることが明らかとなって来た。何故それほど生産技術が低いのだろうか。そしてまた何故、これほど必需品生産は、企業家たちによって怠業の状態におかれているのだろうか。疑問は、ラジオ一つを通じてさえ今日の生産活動の渋滞の本質を知りたい願いとなって来るのである。

今年は九月下旬から十月初旬にかけて日本西部が深刻な風水害をうけた。山陽本線は一ヵ月も故障したのであった。義弟が原子爆弾の犠牲となったため田舎へ帰ったが、急な帰京が必要となって、呉線の須波―三原の間、姫路の二つ三つ先の駅から明石まで、徒歩連絡した。須波と三原との間は雨の降りしきる破壊された夜道を、重い荷を背負った男女から子供までが濡れ鼠となって歩いた。

姫路は、あの辺の重要都市の一つであり、空爆をうけて焼かれている。バラックの駅長事務所で、小雨に打たれて列に立ちながら、連絡について、いくらかでも具体的なことを知りたいと思ったら、若い駅員は、最後に「どことも電話が通じないんだから分らんよ」