Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めおとちょう

めおと蝶

山本 周五郎

Leggi めおと蝶 (めおとちょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.977 caratteri · 47 schermate

Aozora Bunko

信乃は甲之助と乳母のすぎを伴れて実家へ帰った。甲之助がなついていてすぎを離さないのである、信乃が抱いてやってもすぐ乳母のほうへゆきたがるし、夜は乳母と寝床を並べなくては眠らなかった。

「母親はあまく育てるなんて、ごらんなさいな」

母はじれったそうに云った。

「すぎを離してやりなおさなければだめですよ、あなたたちは赤ちゃんから独りで寝たんですから、あんなに附いていてなにすると、気の弱い子になるし、丈夫には育ちませんよ」

「ええ、そう思うんですけれど」

信乃はさびしげに笑って答える。

「そのうちにそう致しますわ、もう少しわたくしが元気になりましたら……」

だが進んで母の云うようにするふうはみえなかった。昔の自分の部屋は兄嫁が使っているので、離れになった隠居所に独りで寝起きしていた。兄夫婦も母も妹も、信乃の気をひきたてようとして、社寺の参詣とか、野遊びなどにさそい、暇があると集まって、歌留多とか双六などをするようにした。信乃はしいて拒みはしなかったが、外へ出ることは承知せず、遊び事もすぐ疲れたと云ってぬけたがった。

「もうあなたには関係がなくなったのだから、上村との事はいっさい忘れて、これから幸福になるんだと思わなくてはだめですよ、あなたはまだ若いんですから」