Classici giapponesi con furigana
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ものぐさなきつね
ものぐさなきつね
小川 未明
Leggi ものぐさなきつね di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2248 caratteri · 5 schermate
三
ただじっとしていて、耳に聞くものは闇の中に狂う風と雪の音ばかりでありました。
「ああ、早く春になって、土を踏みたいもんだ。そして、あの優しい黄金色に輝く星の光を見たいものだ。春、夏、秋、なんという長い間、私たちはまた星とお話することができるだろう。楽しいことだ。」と、鶏は思いました。
星はまた、毎夜限りない、しんとした雪の広野を照らしていました。ただ見るものは白い雪ばかりでした。そしてたまたま黒い森や、山や、流れが目に入りましても、なにひとつおもしろい話をするではありません。そのほか、怠けものの獣物や、いじ悪い動物はありましたが、自分に向かってやさしく話をする、あの鶏のような友だちはなかったのです。星は鶏のことを思い出していました。そして早く春になって、鶏が小舎から出て、空にくびを伸ばして話しかける日になるのを待っていました。
三
寒い夜のことでした。山にすんでいるきつねはもう山には餌がなかったので、里へ出てなにか探してこようと野原の上を歩いてきました。きつねは村へいって鶏の小舎を襲おうと思っていたのです。
「おお、寒い。」と、きつねはつぶやいて、空を向いて、太い息をしました。