Classici giapponesi con furigana
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やぶからし
やぶからし
山本 周五郎
Leggi やぶからし di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.476 caratteri · 44 schermate
そして、その違いの大きさに圧倒されてしまい、酒の力を借りるよりほかにどうしようもなくなった。
「あのとき――」と云って、あの方はちょっと口ごもってから、続けた、「あのときおまえを殴ったのは、おれ自身を殴ったんだと思う、おまえの顔にあらわれたさげすみの色を見たとき、おれは自分の卑しさあさましさに逆上し、自分を自分でしめ殺したくなった、いまになって云いわけをいうと思わないでくれ、これがあの晩のおれの、本当の気持だったんだ」
あの方が手を叩くと、中年の女中が酒を持って来た。わたくしはあの方の告白を、すなおに聞いた。あの方の話しぶりに、しんじつが感じられたからである。けれども、姿勢を崩さなかったのは、わたくしになにか勘がはたらいたのであろう。あの方はなお暫く、ざんげめいた告白を続け、それから急に眼をほそめて、訴えるような、威すような口ぶりになり、「金をあと二十両作ってくれ」と云いだした。わたくしは膝の上の手を握り緊め、あの方の眼を黙って見返した。
「あさっての夕方まででいい、なんとかして二十両持って来てくれ」とあの方は低い声で云った、「――さっきちょっと云ったが、この土地のやくざと揉め事を起こした、二十両あればおさまりがつくし、おさまりがつけばおれはこの土地を出てゆく、そうすればおまえも安心だろう」