Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆずのはなし

ゆずの話

小川 未明

Leggi ゆずの話 (ゆずのはなし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 1947 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

やさしい兄さんは、これをかわいそうに思ったのでしょう。

「いいよ、年ちゃんは、知らんでしたのだから……。」

そういって、自分が、枝からはなれたゆずを手に持って、それがついているときのように枝へつけて見ていたのでした。

「たいそうおとなしいのね。そこで、二人はなにをして遊んでいますか。」と、お母さんが、入っいらっしゃいました。すると、ふいに兄さんは泣き出しました。つづいて年雄くんも泣き出しました。

「だれです、ゆずをとったのは?」

お母さんは、目をまるくなさって、大きな声で叫ばれました。

茶の間で、新聞を見ていらしったお父んが、これをききつけて、

「なに、ゆずをもいだ?」といって、足音荒々しく、縁側へ出てこられると、怖ろしい目で、にらみつけて、

「おまえか?」と、ゆずを持っている、兄さんの頭をパチパチとなぐられました。

「わるいいたずらをするやつだ、せっかく大事にしているものを。」

お父さんは、顔を真っ赤にして、怒られたのであります。

このとき、兄さんは、なぐられながら黙っていました。年雄くんは、ただ怖ろしいので、小さくなって、ふるえていました。そして、兄さんがしたのでないことは、その後になって、年雄くんの口からわかったのでした。