Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ろまんどうろう

ろまん灯籠

太宰 治

Leggi ろまん灯籠 (ろまんどうろう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.222 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

「顔を見せておくれ!」と王子は精一ぱいの大声で叫びました。「悲しい歌は、やめて下さい。」

塔の上の小さい窓から、ラプンツェルは顔を出して答えました。「そうおっしゃるあなたは誰です。悲しい者には悲しい歌が救いなのです。ひとの悲しさもおわかりにならない癖に。」

「ああ、ラプンツェル!」王子は、狂喜しました。「私を思い出しておくれ!」

ラプンツェルの頬は一瞬さっと蒼白くなり、それからほのぼの赤くなりました。けれども、幼い頃の強い気象がまだ少し残っていたので、

「ラプンツェル? その子は、四年前に死んじゃった!」と出来るだけ冷い口調で答えました。けれども、それから大声で笑おうとして、すっと息を吸い込んだら急に泣きたくなって、笑い声のかわりに烈しい嗚咽が出てしまいました。

あの子の髪は、金の橋。

あの子の髪は、虹の橋。

森の小鳥たちは、一斉に奇妙な歌をうたいはじめました。ラプンツェルは泣きながらも、その歌を小耳にはさみ、ふっと素張らしい霊感に打たれました。ラプンツェルは、自分の美しい髪の毛を、二まき三まき左の手に捲きつけて、右の手に鋏を握りました。もう今では、ラプンツェルの美事な黄金の髪の毛は床にとどくほど長く伸びていたのです。