Classici giapponesi con furigana
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わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Leggi わがまま di 伊藤 野枝 (いとうのえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8570 caratteri · 18 schermate
それでもおとなしい永田はてくてく彼女の後からついてきた。登志子はもうなるべく追いつかれないように懸命になって急いだ。永田はとうとうこらえきれずに、
「登志さんは馬鹿に足が早いんだね」といった。登志子は返事することも出来なかった。
家では祖母が出たりはいったりして彼女を待っていた。駈け込むように家にはいると、そこに母や祖母などのなつかし気な笑顔が並んで彼女を迎えた。一家中の温い息が登志子の身辺に集まって、彼女のはりつめた心がようようにほぐれかけた。しかしそこにまだ永田がいると思うと、泣きたくなった。いろいろな皆の言葉もすこしも耳には入らない。
「私大変疲れていますから夜になるまで少し寝ますよ」
わがままらしく彼女は袴をとりだした。祖母は今着いたばかりの孫娘の、元気のない真青な顔を見るといとしそうに、
「オーそうだろう、長い旅でも汽車の中ではようねむられん、お母さん床を出しておやり」
と眉をよせながら、後から抱えんばかりに登志子と一緒に立った。
叔母と母は何となく手持無沙汰らしくそこに坐っている永田に気の毒らしく、
「おばあさんがあれなので、どうも――本当にわがままで――」