Classici giapponesi con furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Leggi わが町 (わがまち) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.869 caratteri · 52 schermate
れているという状態ゆえ、脚気で斃れる者が絶えなかった。三十七年の、七、八、九の三ヶ月間に、脚気のために死んだ者が九十三人であった。マラリヤ、コレラ、赤痢は勿論である。
契約どおり病院はあった。が、医療設備など何ひとつなく、ただキナエンだけは豊富にあると見えて、赤痢にもキナエンを服まされた。なお、粥は米虫の死骸で小豆粥のように見えるというありさま故、入院患者は減り、病死者がふえる一方であった。
すべては約束とちがっていたのだ。こんな筈ではなかったと、鶴田組の三百名は到頭人夫頭といっしょに山を下ったが、雇われるところといってはマラバト・ナバトの兵営建築工事か、キャビテ軍港の石炭揚げよりほかになく、日給はわずかに八十セントで、うち三十五セントの食費を差引かれるようではお話にならず、比律賓の空家にはいりこんで自炊しながらの煎餅売りも乞食めく。良い思案はないものかと評定していると、関西移民組合から派遣されて来たという佐渡島他吉が、
「言うちゃなんやけど、今日まで生命があったのは、こら神さんのお蔭や。こないだの山崩れでころッと死てしもたもんや思て、もういっぺんベンゲットへ帰ろやないか。