Classici giapponesi con furigana
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カキツバタいっかげん
カキツバタ一家言
牧野 富太郎
Leggi カキツバタ一家言 (カキツバタいっかげん) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5735 caratteri · 11 schermate
私はこのような文学の方面でもその間違いはどしどし改めていくことに勇敢でありたいと思っている。今日、日進の教育と逆行するのは決してよいことではあるまい。
全体わが邦で昔だれが杜若をカキツバタだと言いはじめたかというと、今から九百余年前に丹波康頼の撰んだ『本草類編』であろうと思う。そして同書にはまた、蠡実をもカキツバタとなしてある。次に『下学集』にも杜若がカキツバタとなっている。これでみるとカキツバタを杜若であるとしたのはなかなか古いことである。
この杜若なる漢名を用いたのが長い年の間続いたが、今から二百三十四年前の寛永六年にいたって、貝原益軒はその著『大和本草』でカキツバタが杜若であるという昔からの古説を否定し、あわせてその杜若は筑前方言のヤブミョウガ(ツユクサ科のヤブミョウガではない)すなわちハナミョウガ(ショウガ科)であると考定して発表した。
次いで稲生若水、小野蘭山などの学者が出て、今度は杜若はカキツバタでもまたハナミョウガでもなくこれはヤブミョウガ(ツユクサ科)であらねばならぬとの新説を立てた。そして右はこれら景仰せられた一流学者のしたことでもあるので、その後多くの学者はみな翕然としてその説に雷同し、杜若はヤブミョウガであるとしてあえてこれを疑うものはほとんどなかった。