Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

カンカンむしさつじんじけん

カンカン虫殺人事件

大阪 圭吉

Leggi カンカン虫殺人事件 (カンカンむしさつじんじけん) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.237 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

『じゃあ構内の宿泊所には、その晩天祥丸の船員が泊っていた訳ですね? つまり、夜業はなくても、この造船所の構内には、その晩天祥丸の船員がいたんですね?』

『ええ。まあ、少々はですな。』

『と言うと?』

『詰り、八〇パーセントは淫売婦の処――という意味です。』

『好く判りました。で、その日天祥丸以外に入渠船がありましたか?』

『なかったです。』

『有難う。』

技師は喬介との会話が終ると、一号船渠に入渠船があるからと言って、向うの船渠の方へ出掛けて行った。そこで私も喬介に誘われて、面白半分に技師の後に従った。

一号船渠の渠門の前には、千トン位いの貨物船が、小蒸汽に曳航されて待っていた。私達が着くと間もなく、扉船の上部海水注入孔のバルブが開いて、真ッ白に泡立った海水が、恐しい唸を立てて船渠の中へ迸出し始めた。次いで径二尺五寸程の大きな下部注水孔のバルブも開いて、吸い込まれて面喰った魚を渠底のコンクリートへ叩き付け始めた。その小気味良い景色にうっとり見惚れていた私の肩を、喬介が軽く叩いた。

『君。船の入渠する所でも見ながら暫く待っていて呉れ給えね。僕はこれから、ちょいと犯人を捕えて来る――』