Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
「馬鹿につける薬はない」
と社長は椅子にかけて腕組をしたようだった。私達は頭を下げたまゝ只管恭順の態度を取った。
「…………」
「以来気をつけることだね」
「はあ」
「我輩は驚かして見ろと言ったのだ」
「はあ」
「嘘をついて見ろとは言わない」
「はあ」
「我輩は君達を自分の手足のように信用しているのだ。それが嘘をついたんじゃ安心して仕事が出来ない」
「はあ」
「驚かす分なら幾らでも歓迎する。我輩は決して動じない」
「はあ」
「松本は元来馬鹿でいかん」
「はあ」
「熊野もこの頃少し増長している」
「はあ」
と私達は一々頷くばかりだった。
「宜しい。掛け給え」
と社長は中島さんに目くばせをした。中島さんもお附き合いで立っていたのはお気の毒だった。
「さあ、掛け給え」
と中島さんが模範を示した。
「これから気をつけるさ。職務上の手落があったんでもないんだから、安心して勤め給え」
と赤石さんが劬るように言ってくれて、事済みになった。
「時に赤石君」
「はあ」
「君が来たら一つワッと言わせようと思って、匿して置いたものがある」
「何ですか?」
「啓書記だ」
と社長はもう御機嫌が直っていた。又しても書画骨董の話かと思って、私は松本さんと顔を見合せた。