Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.012 caratteri · 48 schermate
「……それから、……あたし、うまくいえないわ。梓さん、あなた、おっしゃい」
梓さんは、れいの熱っぽい眼つきをして、
「あたし、いえないわ。芳衛さん、あなたおっしゃい」
詩人の芳衛さんは、眼を伏せて、いやいやした。
キャラコさんは、からかうような眼つきで、みなの顔を見廻しながら、
「おやおや、すっかり優しくなってしまったのね」
チビの鮎子さんが元気な声で、やっつけた。
「ええ、そうなの。あたしたち、そのひとに逢うと、急に胸がドキドキして、すべって転んじゃうのよ。芳衛さんも梓さんも転んだわよ。ピロちゃんなんか、お辞儀をしそこなって前へつんのめっちゃったんだア」
うっとりするようなその上品な紳士は、丸池のそばの志賀高原ホテルに泊っていて、あまり人の来ない木戸池やモングチ沢のスロープで、静寂な雪山をひとりで楽しんでいるのらしかった。
六人がその紳士に逢ったのは、天狗岩の一本松の下だった。たいへんにスマートな身なりをしたその紳士は、南側のスロープをみごとなスノウ・プルウで降りて来て、六人に丁寧に目礼してすべり去った。
あまり美しく、あまり上品なようすなので、みなうっとりしてしまった。