Classici giapponesi con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.012 caratteri · 48 schermate
夕方から夜にかけて、六人のお嬢さんたちは、みな、とりとめなくなって、ただもうソワソワと立ったり坐ったりばかりしていた。
その夜半、キャラコさんは、梓さんがしきりに寝がえりをうつので、いくども眼をさました。
次の朝、曙の光がまだずっと向うの山脈を薄桃色に染めているころ、みな、一せいに起き出してドタバタ騒ぎはじめた。
テルモスや、古カードや、ワックスの鑵や、こわれた八角手風琴や、兎耳や、ちぎれたノルウェー・バンドの切れっぱしは、みなひとまとめにして戸棚のなかに押し込まれ、広間は見ちがえるほどきれいになった。
画のじょうずなトクさんは雪の下から掘り出したはりえにしだの枝で奇妙な生花をけた。
詩人の芳衛さんは、宝石細工人のような熱心さで、林檎に息をふっかけては服の袖で磨いた。
チビの鮎子さんは、ろくな服を持って来なかったとひっきりなしに愚痴をこぼし、ピロちゃんは靴が小さくなったといって地団太を踏んだ。
おしゃまのユキ坊やは、毛皮のついたカーディガンのツウ・ピースを着て、しゃなりくなりと広間へ入って来たが、生花の枝に袖をひっかけて花瓶を倒し、腰から下をびしょ濡れにしてべそをかいた。