Classici giapponesi con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Leggi キャラコさん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.012 caratteri · 48 schermate
みな、すこしずつ懐郷病の気味で、スキーもあまりしなくなり、雪やけした頬や鼻にクリームをすりこんだり、両親や友達にせっせと絵葉書を書いたりするようになった。
どの絵葉書も、もうじきお目にかかれてうれしいわ、と結んであった。
誰もかれも急に不精になって戸外へ出たがらないので、梓さんが郵便を出す役目をひきうけ、みなの絵葉書や手紙を集めては、一日一回、ホテルまで持って行った。
こんな日が三日ほどつづいたのち、正午すぎに郵便を出しに行った梓さんが三時ごろになっても帰って来ないので、キャラコさんはそろそろ心配になって来た。
画のじょうずなトクさんはスケッチ・ブックの整理をしているし、詩人の芳衛さんはノートをかかえながらむずかしい顔をして創作にふけっているし、おしゃまのユキ坊やとチビの鮎子さんは、ひとつの鏡をひっぱり合って一しょうけんめいに鼻の頭をなでている。
陽気なピロちゃんだけは気になるとみえて、
「梓ちゃんのやつ、どうしたんだろうなア」
と、いいながら、窓のほうへ行ったり扉の方へ行ったり、ガタガタとうるさく歩き廻った。
トクさんは顔をしかめて、
「放ってお置きなさいよ。