Classici giapponesi con furigana
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ココナットのみ
ココナットの実
夢野 久作
Leggi ココナットの実 (ココナットのみ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.448 caratteri · 35 schermate
その上にあんたから毎日こうして虐待されるんだからね」
ウルフはいつも詩人らしい口調でそう云っては、黒ずんだ歯を見せて薄笑いをした。きょうも散々パラ遊んだあげくに、もとの寝台にかえってさし向いになると、又おんなじ事を云ったから、妾は思い切って冷かしてやった。
「又はじまったのね。あんたのおきまりよ。ナマイダナマイダナマイダって」
ウルフは慌てて手を振った。妾の言葉を打ち消しながら、やはり薄笑いをつづけた。
「……そ……そうじゃないよ。エラチャン。そうじゃないったら。だから……僕はだから、生命のあるうちに、何か一つスバラシイ、思い切った事をやっつけなくっちゃ……」
「……また……生命生命って……そんなに生命の事が気になるのだったら、サッサとお帰んなさいよ」
妾から、こう云われると、ウルフは急にだまり込んで、うなだれてしまった。寝台の向う側に妾の爪先とスレスレにかしこまったまま、それこそ狼ソックリのアバラ骨を薄い皮膚の下で上げたり下げたりして、一生懸命に咳を押え押えしていた。
「エラチャンは肺病は怖くないかい」
「チットモ怖かないわ。肺病のバイキンならどこでもウヨウヨしている。