Classici giapponesi con furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Leggi ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) di 牧野 信一 (まきのしんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.321 caratteri · 54 schermate
それでもそこに立働いている人たちの姿は相変らずはっきりと見え、丸源の太郎、二郎、三郎の顔かたちはおろかどんなことを話しているのか、その口の動きで想像も出来るくらいにまざまざと判別出来るのだ。
「月のあるうちに急いで置かないと、後はかがり火だけじゃ仕事が出来なくなるからな。」
「そうですとも、お父さん、七郎丸の仕事なら私たちは昼夜の差別も知りませんよ。」
いろいろと僕は彼らの会話を想像していると、(ああ、僕は夢に駆られ出したのを自ら気づかなかったのか!)丸源の太郎、二郎、三郎を、眼ばたきをして見直すと、驚いたことには、その三人は、僕が、「国境の丘」まで見送ったところの、あの三人ではないか!――彼らは、旅の第一夜をあんな処であんな風に過しているのか。あのかがり火を村里の灯とでも思って慕い寄ったことなのだろう。
Aは、いまだに、「あれから、これへ」を口吟みながら、それでも懸命に槌を振りあげている。Bは、炎えあがる焔の傍らで時外れにも弁当を喰っている。Cは、うつむいてばかりいるので仔細な顔は解らないが、物差を執って、一心に木片の寸法をとっている様子である。
「第一夜からして、あの勢いでは頼もしくはあるが、一言その労を犒う言葉だけでも贈ってやりたいものだな。