Classici giapponesi con furigana
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トコヨゴヨミ
トコヨゴヨミ
田山 花袋
Leggi トコヨゴヨミ di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.449 caratteri · 38 schermate
何処の村も皆なひっそりとしていた。
勇吉は非常に大きな打撃を受けた。百姓の事業の方も無論そうだが、それよりも一層困ったのは、薬のぱったり売れなくなったということであった。病人は却っていつもより多いのだけれど、何処の家でも薬などは買わなかった。大抵は富山から来る置き薬で間に合せた。
「薬屋さん、気の毒だけど……この凶作じゃ薬も買って飲めねえや。」
こう到る処で勇吉は言われた。
勇吉は思い雑嚢を肩からかけてそして遠い旅から帰って来た。
「駄目だ、駄目だ。」
こう言って、小さな自分の家に入って行った。六畳一間に、その奥に小さい二畳があるばかりであった。十月の末はもう寒かった。雪も二、三度やって来た。ブリキの暖炉の中には薪が燻って、煙が薄暗い室の中に一杯に満ちていた。妻は裏の方に行っていたが、声を聞きつけて此方に来た。背に痩せこけた女の兒を負っていた。
「何うだったね。」
「駄目だ、駄目だ。」
「ちっとは、それでも……。」
「駄目だ、駄目だ、すっかり駄目だ。」勇吉は神経性の暗い顔をして、「薬なんぞ買うものは一人もありゃしない。」
「困ったね。」
妻はこう言って、「まア、上んなさい。